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自分の意見を言い、友達の意見を聞く時間。ご家庭ではできないような世界の見せ方を!

EN-TRY運営


 

「今までずっと園でやってきた取り組みが、SDGsへの取り組みになっていたことに気づきました。こどもたちの興味関心に合わせてテーマを選んでいますが、正解がないので、個々の意見をしっかり尊重して一緒に悩んで答えを出しています。おうちの方にも、自分たちが五歳の頃にこんなこと知っていただろうか、とおっしゃるような立派なまなざしをおうちに持ち帰っているということは喜ばしいことですね」

 

★お話を聞いたのは…

 高坂幼稚園 

 園長 新井先生・主任 小林先生


★園で実施したのは…

・ちきゅうフレンズ

 

●文化や自然に触れながら、SDGsへの関心・まなびを育む「ちきゅうフレンズ」。

導入の決め手は何ですか?


コロナ渦でこれからの保育を見つめ直している時、ちきゅうフレンズを知りました。SDGsの社会的な高まりがあったこと、多国籍の園児が増えていることが導入を決めた理由です。

現在、ベトナム、中国、ドイツ、スリランカ、フィリピンのこどもが在籍しており、先生たちは日本語で、ときどき翻訳機をつかって会話をしています。先生たちは何カ国も話せるわけではないのですが、こどもたちはとても柔軟なので先生たちのほうが助けられていることもあるくらいです。このような環境と、今後の社会情勢を見据えて、こどもたちに、ご家庭ではできないような世界の見せ方ができればと思いました。

そして将来的に子供たちには、壁を作らず考えられる広い心を育んでいってほしいと思っています。離れていても、地球という広い枠組みでは繋がっていることを感じ、国籍などにとらわれずコミュニケーションをとったり、世界の課題に向き合ったりできるようなるといいですね。





●ちきゅうフレンズでは、体と頭を動かして学ぶデジタル絵本やワークブック、園でのアクティビティ集をご提供しています。園ではどのように実施されましたか?


 ちきゅうフレンズはたくさんの教材があるので、こどもたちの興味関心に合わせてクラスによってテーマを選んでいます。また、昨年度から導入しているので、昨年度やったものとは違うテーマになるようにし、多くの内容に触れられるようにしました。

特にオーストラリアの水のテーマは強く印象に残った様子です。絵本の中で出てくるのは友達が苦しむ深刻な問題ですが、水の無駄遣いは身近ですぐに行動に移せる問題ですよね。


 また、学年によって進め方を変えました。年長さんは、ホールに全クラス集合してプロジェクターを立て、授業スタイルで実施。年中さんはクラスでアットホームに実施します。こうすることで、たくさんの年齢によってたくさんの意見を聞いたり、小さいクラスでアットホームで声を拾いやすくなります。

 また、今年も昨年度に引き続き園長先生が全学年お話ししました。担任の先生はこどもたちと一緒にお話を聞き、一緒に悩んで答えを出します。こうすることで、正解がないので、クラスの意見をしっかり尊重して深められてよかったです。

アクティビティリストは役に立ちましたね。参考に準備ができたのでクラスでしっかり落とし込め、子供たちの心に残った様子です。



 良かった点として、友達と楽しく学べることで、興味を持ちやすくなるということがあります。SDGsが社会に浸透するにつれ、絵本などで学ぶことができるようになってきました。自宅でも今は販売されているので、家でおうちの方と絵本を読んだりできます。しかしそのように学ぶのと、友達と一緒に新しいことを知るのは違う面白さがあると思いました。

 というのも、ちきゅうフレンズでは考え、自分の意見を言い、友達の意見を聞く時間がたくさんあります。突拍子もない意見でも、自分にはない思考回路や多様な意見に触れられます。


●園でのアクティビティについて詳しく教えてください。


 今までずっと園でやってきた取り組みが、SDGsへの取り組みになっていたことに気づき、SDGsの活動としてとらえ直しました。牛乳パックの再利用や、廃材を使ったおもちゃ作りを行うのですが、「あ、これSDGSだったんじゃないか」と気づいたんです。これは、今までやってきたことの答え合わせだと感じました。

 また、世界をテーマとした作品展を実施しました。




●こどもたちの反応について、印象に残ったエピソードがあれば教えてください。


 お水に関して厳しい子供たちになったと思います。オーストラリアの水のテーマで、アクティビティとして、ペットボトルを使い、せっけんを使う間水を流しっぱなしにしてどれだけの水量使っているか調べたんです。明らかな差に驚き、いかに多くの水を使っているか、強く実感しました。夏のプールの時期には、今までは、プールのお水をなくなっちゃうよ、などの声をかけていたが、自ら無駄遣いに敏感になっていく様子が見てとれました。


 また、ある子は、山盛りのごみの絵に大きく×、と書いた絵を持ってきました。この子は年中さんですが、年少さんからちきゅうフレンズをやっていることもあり、このようにSDGsの興味がある子はどんどん知識が深められているように思います。


 日常的に、水や給食を残さないという心づもりなど大事なことは子供たちの心に残っていると思います。作品展のテーマをこどもたちも一緒に考えたのですが、今年のテーマは「世界旅行」となりました。このようなところにまで「世界」というワードが入っていることも素晴らしいと思いますし、こどもたちの考え方がグローバルになっていると思います。



●保護者の方々からの反応はありましたか。


 ちきゅうフレンズのQRコード付きの保護者向けお手紙を配布しています。動画を見ることができ、夕飯までの空き時間などにYoutubeの代わりに見せてくださったりしているそうです。どうせなら知識の付く面白い動画を、ということで活用できていいとお伺いしました。

今まで幼稚園から家に教材を持って帰ることがなかったので、ワークシートなどを持ち帰ってもらうと驚かれます。もちろん全員ではないのですが、半分くらいはお家でもしっかり見てくれているようです。おうちの方にも、三歳で、四歳でここまで分かるんですね、と言われますし、自分たちが五歳のころにこんなこと知っていただろうか、とおっしゃるような立派なまなざしをおうちに持ち帰っているということは喜ばしいことですね。




 

高坂幼稚園(埼玉県東松山市)


高坂幼稚園の保育はたっぷりと確保した遊び時間と、

子どもの成長に寄り添った設定保育とのバランスのよさが特色です。

また、ぞうりを履いて足の裏から健やかな体を作る

「ぞうり保育」にも取り組んでいます。

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